昭和51年5月、当社は世界最大の積載量50トンエレベーターを、東京都品川区の株式会社寶組勝島倉庫様に納入致しました。このエレベーターは、大型40フィートコンテナ積載のトレーラーをけん引したトラックをそのまま立体倉庫の各階に運ぶことができます。倉庫において最も効率的に大型コンテナを運搬できるエレベーターとして現在も各方面から高く評価されています。 なお、現在は東京都競馬株式会社様が所有し、東京倉庫株式会社様が管理運営しています。
この50トンエレベーターは、積載量が非常に大きいため直接式油圧エレベーターが最も適しています。油圧ユニットから発生した圧油をシリンダー内に送りこむことにより、かごは上昇し、また下降はかごの自重により油をタンクに戻すことで行います。かご上部をシリンダーで保持する設計がとられているため、その高さの分だけシリンダーの保護鋼管を埋設する深さが浅くてすみ、かご自重のバランスも良いなどの特長をもっています。
50トンエレベーターの製作に当たって当社は、これまでにない最大規模のエレベーターを開発するため特別プロジェクトチームを編成して、研究開発に6ヶ月、設計製作に6ヶ月、据付調整に4ヶ月、全体で16ヶ月の工程期間を費やして完成させました。油圧ユニットと油圧シリンダーは業務提携先であるパウルシュミット社(ドイツ)から直輸入し、大型昇降かごは造船技術で知られている極東マックグレゴー社の協力により製作されました。大型トレーラーの乗りこみ時などに起こる偏心荷重の問題は独自の設計工夫により解決されました。こうして完成した50トンエレベーターは当社技術の結晶として、国内のテレビ、新聞のみならず、海外でも紹介されました。
かごの大きさ(内法) | 4.4m×19.2m×4.1m |
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最大積載量 | 50,000kg |
昇降行程 | 32.2m |
速度 | 毎分10m |
停止個所 | 1,2,3,4,5,6,R階 |
出入口の数 | 14個所 |
戸の形式 | 4枚戸中央開き |
油使用量 | 24,000リットル |
電源 | 400V |
ポンプ | 1,600リットル/min×2台 |
モーター | 170KW×2台 |
シリンダー | 直径 57.2cm 長さ 34m×2本 |